wheezeが聞こえたらからって呼吸器疾患を疑うのはちょっと待って

呼吸音の異常は呼吸器疾患を疑ってしまうのが定例かと思いますが、安直に呼吸器疾患を疑うのはアセスメントミスを誘発するため注意が必要です。

結論から言って、wheezeが聞こえたら細気道が狭い病態はどんな疾患も該当します。

wheezeが聞こえたからと行って、呼吸器疾患を疑っていくと早期発見ができない場合があります。

総合的な早急な判断が望まれる場面において、どんな疾患も該当することを念頭に患者を見ることが大事です。

wheezeの病態生理

wheeze:呼気性喘鳴

細気道の狭窄化、または圧迫された部分を気流が通るときに乱流となり、気道壁が振動する音

呼気のみより、呼気・吸気両方で聞こえる方が重度の狭窄化と言えます。

つまり、細気道が狭くなれば、どんな疾患でも該当します。

wheezeの鑑別疾患

一般的かつ、私が実際にwheezeが聞こえた疾患について羅列してみます。

wheezeの鑑別疾患

・喘鳴

・COPD急性増悪

・心不全

・アナフィラキシー

・気管支炎

・気管内腫瘍

・気道異物

・刺激物の吸入

・慢性の誤嚥を伴うGERDなど

ざっと思い出しただけでも、結構な疾患がありますよね。

印象的だったのは、

問診票で「喘息」と訴えられていました。さらに、既往歴は高血圧、喘息。

誘導されるようにお呼吸器疾患を疑ってしまいましたが、結果としては心不全。

心臓喘息によるもので、心不全による発作性の呼吸困難でした。左心機能低下による肺水腫が原因。

患者の主訴に引っ張られてしまったのが反省点でした。

随伴症状からの不一致、疑う所見を排除するための追加検査で精度を高める必要がありました。

Take Home Massage

wheezeは喘息発作時には限らない

鑑別疾患を思い浮かべながら診察をしましょう

呼吸器疾患か循環器疾患かを観月する

特に治療が異なるので気をつける

患者の主訴に引っ張られない

解釈モデルとして念頭におく。アセスメント能力が医療者の仕事です。

これからAIの時代が到来し診察の精度は圧倒的にAIに勝てないでしょう。しかし、総合的な判断能力は我々の能力でありAIに唯一対抗する力。

アセスメント能力をいかに向上させるか、そのために学習を深める必要がありますね。

 

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