大手の病院では看護師の思いが十分に反映されず、部署移動となるものがあります。病院経営をする上で、人事異動は致し方ないものの、ICUに移動となると精神的ストレスが大きいことが分かっています。
私、そんな重症なところでやっていける自信ないよ。全然勉強してきていないし、無理だよ。
先輩すごすぎ、機械類訳、英語ばっかで訳分からない。勉強しないといけないことは分かるけど、どんなことをどれだけやればいいの、どうしたらいいの。
過緊張でたまの汗を流し、不安の日々を過ごしている看護師さんいませんか?
本記事ではICUの病棟に異動になった新任看護師さんにとって非常に有益な情報になるかと思います。
・現役看護師です。
・救急外来からICUまですべての部署を網羅し経験しています。また、緊急の状況によっては手術室にも応援にも行きます。
・教育に関する研究をしています。文献検索をしていますので、裏付けされた有効性がある数字を用いています。
いわゆる新人レベルではありませんし、論文化された研究からの有効性の高い数字も使用しているため、信頼性は確保されているかなと思います。
スポンサードリンク
ICU所属の看護師が行うべき学習内容と時期と方法
ICUの部署で働くこととなったら、必要な知識の木の幹とも言える最も大きなテーマは「呼吸と循環」になります。
呼吸と循環が最も大事な概念です。
これは研究の中で明らかになっているICUに所属する看護師の中堅と呼ばれる5年目以上が新人の時に困った内容、新人指導で困った内容を自由インタビュー形式で単語を抽出した時に、カテゴライズされた上位の言葉です。
さらに、新人看護師が最も困っている内容について自由インタビューにて同様に抽出した単語でカテゴライズされた上位の言葉でもあります。
つまり、新人看護師が業務上感じた必要な知識も、指導する立場である先輩も、「呼吸と循環」の知識が必須であると捉えています。
まとめると、ICUに所属となれば必要な知識は「呼吸と循環」をテーマに継続した学習をすることが求められます。
呼吸とは何を学習するのがよいか
呼吸といっても、解剖学的知識、生理的知識、医療機器に関する知識と多くの知識が必要になるように思われますが、先行研究で明らかになっている学習するべき単語が同様に抽出されています。
呼吸を学習するポイントとは人工呼吸器を理解することになります。
人工呼吸器を理解するためには3つのポイントがあります。
- 陽圧管理の仕組み
- モードによる特徴
- 患者呼吸に呼吸器を合わせる
です。これらを理解すれば、人工呼吸器管理が得意となり呼吸についての知識はある程度確保できるかなと思います。
これら知識を学ぶのにあたり初心者の方はこちらの本がオススメです。
簡単、明瞭、サクッと読めてサクッと理解できます。
苦手意識を払拭するのに役に立つはず。時間にして1時間から3時間以内には読みきれるでしょう。
これで概要をつかんだら、こちらの本を理解することです。
呼吸器専門医にも引けを取らないほどに知識が獲得できます。
人工呼吸器の設定ならやらせてくれよ!って思えるほどになるかと思います。
苦手な、怖い、人工呼吸器が得意に変わるのでオススメです。
時間にして2時間くらいの学習を1週間程度続ければ、読み込め理解できるんじゃないかなって言う学習量です。
循環の学習とは
循環を直接的に知るためには心電図の学習は避けては通れません。
心電図に関する本は多岐にわたりますが概要から理解できるのは
こちらですね。
研修医も読んでおりベストセラーです。
心電図検定もこの内容を理解していれば2級までは問題なく合格できました。
目標を設定し、学習をすると知識の定着につながるので心電図検定を受けてみるのはいかがでしょうか。
毎年4月から5月が受付で8月末ごろに検定試験があります。
循環とは血液の流れを示しています。
必要な知識は輸液管理から、生体侵襲、腎臓、心臓、血管と多岐にわたります。
まずは、心電図から学習を深めるととっつきやすいかなと思います。
配置転換した看護師が知識・技術獲得が達成できる時期
先行研究では、ICUに配置転換した看護師が知識・技術の獲得するのに個人差や経験さはあるものの、概ね6ヶ月で達成できると言われています。
学習量であったり、指導方法であったり、人間関係(質問しやすい関係)だったりと要因はありますが、6ヶ月で不安が消失します。
配置転換してから6ヶ月間は苦しい期間だと思いますが、人間関係を考え、自己学習を深めフォローし、フォローし合えるように関われると良いですね。
学習指針について困ったことなどあれば、遠慮なくご連絡ください。
ブログ村参加しています
コメントを残す