ICUに異動してきた看護師が持つ異動月別心情変化と、その対策

ICUに異動になった看護師が持つ不安は先行研究によって明らかになっています。

どれくらいの時期に自立できるんだろう?

どれくらいの時期にどんな関わり合いをしたらいいんだろう?

どれくらいで私の持つ不安は払拭できるんだろう?

 

ICUに異動になった看護師が抱える不安と、その心情の変化、その時の関わり合いの方法がこの記事を読むことで解決できます。

こんな人を対象にしています。

・ICUに異動してきたスタッフへの指導を悩んでいる方

・ICUに異動して不安だらけなあなた

・ICU看護師について少し知りたいなっていう方

こんな方はこの記事が参考になると思います。

この記事の信憑性
  • 筆者は現役看護師です
  • 集中ケアの領域で働く看護師を対象にした文献を読みました
  • ICUについて勤務経験があり、指導する立場になったこともあります

記事の信憑性としては十分ではないでしょうか。こんな私が解説をします。

ICUに異動してきた看護師が持つ異動月別心情変化と、その対策

まず結論から言って、ICU経験、看護師経験に関わらずアセスメント能力は、経験に一切関わらない

全身状態が目まぐるしく変わる重症患者を見ている、集中ケアに従事する看護師は医師と同等、それ以上の知識と見解を求められる場面も多いです。

看護師が持つ患者状態の把握、すなわちアセスメント能力は経験に関わらず常に緊張、不安を持っています。

さらに看護師は医療チームの中でも特に、チーム内での干渉役だったり、患者・医師関係の間に立ったりと柔軟な対応が求められます。

常に、緊張・不安を持って働いているので医療チームの中で相談がしあえる関係ができるといいですね。

コミュニケーション力が非常に必要ですので、まず人間関係を構築するためにザイホンス効果を利用して人間関係が良好になるよう関わっていきましょう。

ICU異動後、1ヶ月の看護師が持つ不安

ICUは医療現場の中でも特にストレスの高い職場です。超重症患者の全身状態管理は多大なストレスを与えます。

幅広い知識と深い知見を求められるため経験年数に関わらず、集中ケアを担っていることは大変なため当然です。

異動してきた看護師が最初の一ヶ月間程度で現れる不安とは、新しい知識への不安です。

新しい知識を獲得するためのストレスを抱えている時期ですので、そんな看護師には技術獲得に向けた関わりが重要であると言えます。

具体的には

  • 学習深度を深められるツールを利用する
  • 学習してきた内容をチェック、できている事を伝える
  • 勉強会を開催し、学習のアドバイスをする

先輩看護師が、知識獲得に向けた関わりをすることで異動してきた看護師のストレスを軽減することにつながると考えます。

異動した看護師のストレス軽減は離職率の軽減、職場関係の保全と有益であることは明らかです。

先輩看護師は、異動してきた看護師への学習支援をしていきましょう。

そして、異動した看護師は「みんなそういうもんなんだ」と気持ちを楽に知識獲得に向け、先輩看護師に自分の知識が十分な内容であるのか学習の度に確認していくと良いでしょう。

ICU異動後、3ヶ月の看護師が持つ不安

ICUに異動し3ヶ月程度すると心情・不安に思う事柄が変化します。

異動して3ヶ月程度すると、個別的な不安になるとされています。

個別的な不安とは、異動していきた看護師が持つそれぞれの性格、特性、知識の獲得の程度によって大きく変化するということです。

3ヶ月程度たったから知識獲得がクリアできたというわけではありません。

働き方、周りからの評価、職場環境、様々な要因によって不安に思う事柄が違うのがこの時期の特徴です。

具体的な対策は

  • 異動してきた看護師の思いを聞く

これに尽きます。その人の力になれるよう、その人の思いを聞き対策することが望まれます。

そのためには、聞きやすい人間関係の構築が大事です。3ヶ月程度たつ看護師のサポートができるように人間的なやりとりができるよう支持するようにしましょう。

また、異動してきた看護師も、相談しやすい人間関係ができるよう、気の合う先輩看護師を見つける、仲良くなるなど関わり合いが必要になってきます。

良好な人間関係を作る大きなツールが、ザイホンス効果です。積極的に声をかけるようにしていきましょう。

ICU異動後、6ヶ月程度たった看護師の不安

異動してきた看護師が半年も経つと人間関係、職場関係はある程度完成しつつあるでしょう。この時期に持つ特有の心情は、これまで持ってきた不安の消失です。

この言葉の意味は、「不安がなくなった。」ではありません。

  • 今さら聞けない

不安はあるものの、不安を表出するのが難しくなってくる時期です。

つまり、この時期に必要なことは質問への抵抗をなくすことです。

質問をしあえる関係、質問を受けやすい雰囲気、態度。様々な要因がありますが、質問、疑問を言える関係を作ることが有効です。

総合的な結果としては

異動してきた看護師が集中領域に必要な技能、知識の獲得には11ヶ月程度かかると言われています。

1年程度は最低時間をかけて育つ、育てる認識で人間関係を構築しお互いに質問し学び合える関係を作ることがベストです。

ギブアンドテイクならぬ、ギブ&ギブ。

ギブアンドギブがポイントです。

心理学の法則で「返報性の法則」があります。

バレンタインデーとそのお返しのように、親切にされると親切にしたくなるよというものです。

異動してきた看護師も、異動してきた看護師を指導する看護師も、お互いがギブしあえる関係を作ることが大事ですl

最初から見返りを期待して人に親切にしても、それは見透かされてしまいます。「見返り」を期待するほど「見返り」は返ってこないものです。

「ギブ&ギブ」の精神で接することで、多くの人があなたが困った時に助けてくれ、協力してくれるようになるのです。

とにかく役に立てるように頑張ろう!⇄そこまでしてくれるんだ!

「あいつの頼みならしょうがない」と思われる人になろう

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